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Tatsu04aのインドネシア生活ブログ

【賄賂・責任転嫁】インドネシアでバイクを盗まれた時の状況と対応策|一連の流れと手続き・必要書類

2024年6月8日

 

2024年5月18日、インドネシアのチカランでバイクを盗まれました。

4年以上住んできた、日本人が多く住むアパートでの出来事です。

あくまでも一例ですが、今後バイクを盗まれた日本人の方に参考になればと思い、備忘録としてブログに書いていきます。

 

本記事では主語を「インドネシア」と大きくして記載しています。不快に思われる方がいたら申し訳ありませんが、2024年の実体験をお伝えしておきます。インドネシアで外国人が被害を受ける可能性がある事例の一つとして、誰かの参考になれば幸いです。

 

5月18日、バイク盗難発覚と犯人

 

 

土曜日の朝、アパートの入口ゲートで駐輪料金を支払って、アパートの駐輪場に停めてたバイクへ向かいました。

・・・ない。先週の日曜日 (5月12日) 夕方前に停めてた場所にありません。いくら探しても見つかりません。

しばらく駐輪場を探してると、アパートのセキュリティーが続々と集まってきて、みんなで探しましたが見つからず。

 

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セキュリティーさんが駐輪場管理会社を呼んでくれて、駐輪場出入口にある監視カメラを確認してくれました。

 

結局、犯人が監視カメラに映っており、以下のことがわかりました。

 

・実行犯は2人

・5月12日21時ごろの犯行

・1人が駐輪場の中でバイクのロックを解除、もう1人がバイクのゲートで待機し、逃亡するときに入場チケットを受け取るボタンを押してゲートを開けて逃げた。

 

5月18日、某Polsekで盗難届の作成

 

 

駐輪場管理会社の人のバイクに乗って、某Polsek へ行きました。

バイクの補償のために、何月何日何時に、何のバイクがどこで、どういう経緯でなくなったのか、損失額相当はいくらか記載された STPL (Surat Tanda Penerimaan Laporan) という書類が必要とのことです。

結論を言うと、3時間以上の謎の待ち時間はあったものの、賄賂を渡すことなく書類を受け取ることができました。担当警官は損失相当額15jtとしており、2021年に18jtで購入したことを考えれば納得できる金額です。

 

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ちなみに、下記ツイートに注意点を載せておりますが、BKPB Asli(原本)は必須です。これがないと後ほどのプロセスも滞ると思われるので、間違ってもバイクの中に保管することは避けてください。

 

 

・・・インドネシアではこんな上手いこと話しが進むはずなく、結論を言うと書類不備で後日再訪し、賄賂300,000ルピアを払わされました。

 

インドネシア人の妻と結婚した時も、KUA、警察で法外な金額の請求、外国人と結婚すると聞きつけた警官3人の田舎への自宅凸など、色々とひどい目に逢いました。

外国人(特に先進国から来た人)がインドネシアで生きていくということは、こういう嫌がらせを受けるリスクが付きまといます。

 

駐輪場管理会社と書類のやり取り

 

駐輪場管理会社から、以下4点の書類を受け取りました。

この書類にも損失相当額は15jtと記載されており、内容に納得できたので、サインしたり、切手貼ったりして、返却しました。

 

・Berita Acara Kehilangan

・Surat Tuntunan Ganti Rugi dan Pernyataan

・Surat Pernyataan Tidak Menggunakan Asuransi Lain

・Surat Hasil Musyawarah

 

・・・この損失補償額も後日下げるようお願いがあり、最終的に12.85jtになりました。

それなら最初から12.85jtで書類作っとけばとかなり文句言いましたが、意味わからんロジックで話は進まないし、1万㎞走ってるので中古に出してたら15jtもしないだろうと思い、結局12.85jtで妥協しました。

 

 

6月1日、Jakarta の Polda で BPKB凍結の手続き

 

 

色々ありましたが、保証金額も確定し、残す手続きはBPKB凍結の手続きです。

ジャカルタの Polda でないと手続きできないそうですが、平日だけでなく土曜日08:00-12:00も開いていました。

某Polsek で受け取った STPL (Surat Tanda Penerimaan Laporan)、BPKB原本、SIM C、STNKコピー (原本は盗まれたバイクの中に保管してたので)、パスポート、駐輪場管理会社とやり取りした書類のコピーを持って行きました。

 

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しかしながら書類の不足があり、再度 某Polsek へ行き、Surat Permohonan Blokir BPKB をもらってきてと言われました。

 

駐輪場管理会社に「指定された書類を持ってPoldaに行ったが、不足書類があると言われた。どういうことでしょうか?」

と連絡したところ、知らなかったと言われながらも謝罪があったのでひとまずOK。

せっかくの土曜日なので、妻と久々のジャカルタぶらり旅を楽しみました。

 

6月8日、書類の作成にあたり賄賂の要求

 

さて、某Polsekへ駐輪場管理会社と再訪して書類の作成を求めましたが、賄賂の要求がありました。

今日中にやってやるから、850,000ルピア(口頭でなく指で金額を伝える)寄越せとのこと。本来は無料です。さすがに高すぎるので話し合った結果、300,000ルピアになりました。

今日の夕方に手続きするから、その時に来てねと。なお、賄賂と引き換えに書類を渡すので、駐輪場管理会社だけ来ればいいそうです。

 

その後、駐輪場管理会社と揉めまくり、埒が明かないので妻も呼んで話し合いました。

僕としては、書類求めてきてる駐輪場管理会社側で払えと主張しましたが、まずは立て替えてくれとのこと。立て替え分は後で保証会社に言えば返ってくるというのが駐輪場管理会社側の主張です。

立て替えと言ってますが、ここはインドネシアです。絶対返ってきません。インドネシアの公的機関が汚職まみれなのは当然として、なんで被害者が賄賂まで払う必要あるんだと不思議でなりません。絶対嫌です。

 

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結局、妻が夕方に駐輪場管理会社と一緒に再訪し、300,000ルピアを渡して今後のプロセスを注意深く聞いてもらいました。僕が行くと口論になるので、妻だけで行くことに。

 

ちなみに、某Polsekでの手続き中、僕がManagerとして働いていることを知ると、「ケータリングサービスやらトラック運搬やら俺と契約しないか?分け前は二人で割ろうぜ」的なことを持ち出してきました。もちろん拒否。WAの交換も求められましたが拒否。

ちなみに妻はなぜかWA交換してしまったそうです。6月15日時点で連絡は来てませんが、今後の流れとしては「金の振り込みは終わったか→助けてやったんだから金寄越せ」。こんなところでしょう。インドネシアの普通が掴めてきました。

*7月21日現在も連絡は来ていません。

 

某Polsek から賄賂と引き換えに書類受け取り

 

結論として、Surat Permohonan Blokir BPKB は受け取れました、要求された賄賂300,000ルピアと引き換えに。

再度Poldaへ行く必要がありますが、不信感が募りまくってるので「また金取るために噓の書類渡してるんじゃないか」という疑いが消えません。

とにかく来週の土曜日、Poldaへ行ってみるしかなさそうです。

 

6月15日、再度Poldaへ行き、6月19日に代理人経由で書類受け取り可

 

 

6月15日土曜日午前中、Poldaへ再訪しました。

手続きは非常にスムーズで、必要書類は全て受理され、6月19日(±3日)に代理人 (Wakil) が書類を受け取れるとのこと。

 

(特に求められたわけではないですが)妻が念のためにと、Polda でついでにSTNKも一緒に凍結申請しました。STNKはコピーしか手元になかったのですが(原本は盗まれたバイクに保管してたため)、こちらも同様に、6月19日(±3日)に代理人 (Wakil) が書類を受け取れるとのこと。

 

早く手続きを終えたかったので、インドネシア人の妻に協力してもらいました。これで無事に終わるのか、まだ何かあるのか・・・

 

6月19日、Blokir BPKB完了|6月21日、Blokir STNK完了

 

6月19日、代理人 (Wakil)=妻経由で、Polda で Bolokir BPKB は終了、必要書類(Blokir Ranmor)をPoldaで受け取ることができました。

STNKについては、同日Poldaで Lembar Disposisi という書類を受け取りました。つづいて6月21日、管轄のSAMSAT(今回の場合はBekasi)に行き、Surat Keterangan Pemblokiran を受け取り、全プロセス終了しました。

 

ちなみに Lembar Disposisi と Surat Keterangan Pemblokiran を受け取る際に賄賂は必要ありませんでした。インドネシア人の妻が代理で行ってくれたからか、担当者が良い人だったからかは不明です。いずれにしても、インドネシア全土で賄賂が必要なわけではなく、一部のエリア・人に限っては賄賂不要なこともあるようです。

 

Tatsu04a
約1か月に及ぶプロセスが終わり、受け取った書類を駐輪場管理会社へ渡し、振り込みを待つのみとなりました。

 

・・・ここでまたまた、トラブル発生です。駐輪場管理会社が追加書類を再度要求、某Polsekへ行けと言い出しました。

 

7月2日、駐輪場管理会社から追加書類の要求(n回目)

 

7月2日、駐輪場管理会社から連絡があり、「Surat Kehilangan STNK」が必要だから某Polsekで書類申請してくれと言い出しました。

STNKに関する書類は必要と言われるかもなと予想してて、妻が事前にBlokir STNKを終了してたので、6月21日にSAMSATで受け取った Surat Keterangan Pemblokiran を見せましたが、ダメみたいです。「Surat Kehilangan STNK」を寄越せと。

 

Tatsu04a
なんで何度も後出しで追加書類を言ってくるんだ。駐輪場管理会社の要求する書類を準備してるのに、PolsekやPoldaに複数回行かされてるんだけど、時間とお金を使ってるの理解してる?

 

的な内容を、言葉遣いを柔らかくして伝えましたが、「それは自分の担当じゃない」「それは知らない、担当のBに聞いてくれ」と、責任転嫁合戦です。

妻も電話で、追加書類は本当にもうないだろうな?と念押しの怒り電話、担当者によると「これで全プロセス終了」だそうです。何度も聞いたよそのセリフ・・・

 

結局、翌日7月3日、妻が某Polsekまで言ってくれて、賄賂なしで Surat Kehilangan STNK を受け取れました。

同日、駐輪場管理会社へ書類を渡し、7月6日現在は補償金12.85Jtの振り込みを待っているところです。→ 7月16日全額 (12.85jt) 振り込まれました。

 

必要書類まとめ

 

① BPKB原本、SIM C、STNK原本(今回は原本紛失のためコピーのみ)、パスポート + 全書類のコピー

② STPL : Surat Tanda Penerimaan Laporan(Polsek)

③ Surat Permohonan Blokir BPKB (Polsek)

①②③ の書類を持ってPoldaへ:Blokir Ranmor(Polda)

④ Surat Kehilangan STNK(Polsek)

・Lembar Disposisi(Polda)→ Surat Keterangan Pemblokiran(SAMSAT)*STNK凍結

・賄賂(Polsekで賄賂要求→払わないと手続き不可)

・その他:駐輪場管理会社から要求される書類があるので、都度対応する。

*必要書類の名称は異なる可能性があります。

*本記事は2024年時点での情報です。

※②③④はPolsekで受け取る書類のため、最初に必要書類として伝えておくことをお勧めします。駐輪場管理会社から後出しで色々言われてPolsekに何回も通いましたが、今回の手続きで必要だった書類は上記の通りでした。

※各手続きで受け取った書類はコピーを取っておいた方が良いと思います。僕たちは全書類のスキャンを取り、全書類のコピーと原本を持って各機関へ行きました。

 

まとめ

 

インドネシアの田舎へ行くと、盗人は捕まったらボコボコにされます。場合によっては生きたまま焼かれたり、首を切られたりするそうです。

「やりすぎだろ」と思ってましたが、いざ被害者になってみると、警察がろくに機能していない状況ではやむを得ないのかなとも思いました。

 

日本人の方が被害にあわないのを祈っておりますが、もし万が一バイクを盗まれた場合、僕はこういう手順を踏んだという実体験を共有したいと思い、ブログ執筆にいたりました。

これらのやり取りは全てインドネシア語で行われるので、かなり難易度が高いです。日本人が当たり前に持つ考え方・理屈が通じるとも限りません。プロセスはかなり時間を要しますし、たらい回しにされることもあります。

 

そして今回はアパートの駐輪場からの盗難だったのである程度の補償(購入金額の70%ほど)がありましたが、補償されずに物を取られて終わりのケースもあるでしょう。

バイクに限らず物を取られた場合、警察に行っても賄賂を要求され、取られた物を取り返すよりも高くつくケースがあるかもしれません。

しかし個人的には盗難届は出しておいた方が良いと思います。もし僕のバイクを使って悪いことされて、ナンバープレートなどから持ち主としてあらぬ疑いをかけられるかもしれないからです。

 

インドネシアでは警察が正しく機能していないことを念頭に、何か起きた時の対応を考える必要があります。

私たちはインドネシアにいることを忘れないでください。

 

  • B!